【場面緘黙治療】緘黙経験者からみた最も効果的な方法とは

場面緘黙を発症して20年近くたった24歳(社会人3年目)の私が考える、場面緘黙に最も効果的な治療法を挙げてみます。

それは、いろいろな場所で、いろいろな集団の人と会うことだと思います。

 

私が小学生のときは、①小学校の知り合いと②家族・親戚などの知り合いしか身近におらず、「地元=平日=学校=緊張」と「東京(親の実家があります)=休日(長期休暇)=家族・親戚=リラックス」の2つの図式が出来上がってしまっていました。

私は、学校のある地元ではいつも緊張していて、東京の親の実家で親戚に会った時だけはよく話すような子どもでした。(私の場合、親戚は地元には住んでいなかったので、「学校のある地元での緊張と親戚に会える東京でのリラックス」の構造は顕著なものだったと思います。)

ですが、社会人になった今では、小学校で知り合った人から社会人になって知り合った人まで含めいろいろな知り合いができました。そして、行動範囲が広がり、その人たちと、いろいろなシチュエーションで会っています。

たとえば、大学(地方にあります)の知り合いと東京で会ったり、会社の人と社外で、社内のサークル活動の用事で休日に会ったり、高校の部活仲間と学校でなく飲み会の席で会ったり…などいろいろシチュエーションでいろいろな所属集団の人と会う機会ができ、「大学や会社=緊張する場所」という図式がいい意味で崩れつつあります。

このような体験をできるだけ緘黙初期(幼稚園・小学校)のうちにできれば、その後の治りは早いのではないかと思います。

とはいっても、幼稚園児・小学生がお酒の席に出る…というわけではなく(笑)、①親など話せる人と学校(緊張してしまう場所)の近くで会う、②普段は話せない学校の友達と家で会うなどのことをすることで、「学校=緊張」の図式を取り払っていけたらよいかなと思います。(実際、私も小学生のとき、友達を家に呼んだら、家ではその友達と話せた、ということがありました。)

 

社会人になって気づいたのですが、ある一日、その日は平日であっても、年休にすることができるし、そうすると会社に行く日ではなくなる…小学生のころは緊張していた平日でも、実は簡単に休みの日にできてしまえるような、平日なんて絶対的なものではないものなんだ、ということです。平日(学校に行く日)はもっと気楽に考えられるものなんだってことです。

 

でも、学校に行くことに緊張していた過去の自分や今、緘黙の症状がある小学生なども、決して悪いものではないと思います。それだけ物事を真剣にとらえているということなので。