場面緘黙治療法アイディア集3

3回目の今回は、『判例百選』ならぬ『反例百選』というトレーニングです。

(法学部の人ならわかると思いますが、重要な判例(裁判所の判決例)を百近く集めた『判例百選』という書籍があります。このトレーニングはそこからもじっています。)

ですが、ここで使うのは法律の「判例」ではなくて、数学の「反例」(反する例)のほうです。

・「反例法」…人から自分のマイナスの部分を指摘されたときに、「でも、人生においてそれに反することもあったのではないか?」(=長所)をできるだけ具体的に列挙するトレーニング(私は、『反例百選』と名付けました)

 例1)「応用が利かない」と言われた場合:①小~高で塾・予備校に通わず、教材を自分で選んで組み合わせ、教育カリキュラムを考案←この能力は障害克服にも絶対役立つ、②演劇部公演の後の舞台挨拶でとっさに言った一言で笑いを取った

 例2)「効率が悪い」と言われた場合:残り時間から逆算してやるべきことを洗い出し、朝の準備を5分で行う

 例3)「自分から動けない」と言われた場合…①高校の時にクラスの遊びの集まりを企画した、②寮で近くの部屋の人を食事に誘った

 

などと、具体例を挙げていきます。

場面緘黙の人は、家でできていることが緊張のため、学校・会社でできなくなってしまうことがあります。本当はできることをできないと指摘されるなど、他人に誤解されがちです。そのため、「本当はできているんだぞ」と自分を認めてあげることで、きっと学校・会社でも少しずつ自信を持って、(家と同じように)本当にできるようになっていくのではないかと思います。