マイナスをプラスに変えた体験③

場面緘黙は就活に不利としか思えないでしょうが、こんなラッキーなことがありました。

③就職試験の適性検査(IT業界)に1位で通る

→私は人前でほとんど一言も話せないという症状が中学生までありました。そのため、小学校でことばの教室(特別支援学級の一つ)に通い、知能検査を受けたことがあります。高校でも発達障害者支援のための公の施設で知能検査を受けたことがあります。そのときは、授業を抜けないといけないし、不便だと思っていました。劣等感もかなりありました…。

そして、時代は過ぎ、大学生になり就活の時期を迎えたわけですが…、なんとIT業界の適性検査で出る問題が一部、その知能検査の内容と似ているのです(数字の羅列に規則性を見つける問題など)!私は文系で全くIT関係勉強をしたことはなかったんですが、適性検査で、他の受験者(理系の院生もいたみたいです)の中1位を取ることができました。すごい優越感。まさかこんなところで緘黙で苦労したことが役に立つとは!

マイナスをプラスに変えた体験②

人前でうまく話せない…場面緘黙をプラスに変えた体験第二弾です。

②高校で演劇部に入り演じる楽しさを知る

→中学までで一言も言葉を発しなかった自分を変えるため、高校は自分を知っている人がいない遠めの場所を選び、かつ演劇部に入部しました。「家では明るく話せるのに、学校だとまるで別人のように話せない」、そんな場面緘黙の症状って、演劇で役やるのに活かせたりしないかな。そう思って、かなり勇気はいりましたが、入部を決めました。日々の練習は場面緘黙(なかなか自分を表現できないのが特徴)の私にとってつらいものでしたが、本番が楽しくてしょうがなかったです。本番では自分の体を通して完全に他者の体験をしているのです。緊張で普段思うように体が動かせないからこそ、他者として舞台で動けるときが楽しすぎる!こんな楽しいことがほかにあるのかと思うくらいのことに出会えました。(場面緘黙じゃなかったら逆に恥ずかしくてできなかったはずですし他者を演じる必要性がなかったはずです。)

マイナスをプラスに変えた体験①

場面緘黙だと、話したいのに話せず、しかもその症状を理解もしてもらえない…など生活上不自由なことが多いです。

でもそのマイナスをプラスに変えた経験が人生でたくさんありました。生きていればこんな良いこともあるのだと、場面緘黙の人、話すのが苦手な人に希望を持ってほしいです。

①中学生のとき、国語の時間に書いた俳句の鑑賞文が市の文集に載る

→家庭でも問題があり、場面緘黙であることからクラスの友達グループにも入れず孤立していた中学時代。とても気分が暗かったので、中学生とは思えないような暗い俳句(死んでいく牛と秋空を対比させた句)を選んで鑑賞文を書きました。そしたら、なんと国語の先生に、市の文集に載せるものとして選んでもらえました。

プライドはズタズタになりながらも

場面緘黙の症状があることを、特に会社には知らせずに1年2か月生活していたのですが…、話し方が変(反応が薄い、答えるのに時間がかかるなど)なことを会社の人にかなり笑われる毎日でした。さすがにもう限界になりそうだったので、上司に、「場面緘黙」というものが世の中にあることから説明し、私も幼少期からその傾向があることを知ってもらいました。そして、一部のよく一緒に仕事をする人たちにも私の症状について伝えてもらいました。

そしたら、かなり気持ちが楽になりました!それまでは、朝起きたときに心がとても重くて、いままでの人生であったいろいろな嫌なこと(会社で笑われたこととは無関係な過去の嫌なことも含む)が無意識のうちに浮かんできてしまっていたのですが、上司に相談してから、それが無くなりました。今までどれだけ重い気持ちで会社に行っていたのだろう…。上司には本当に感謝しています。

ただ、この問題って、現時点では上記のような解決法が現実的ではありますが…、そもそも場面緘黙への世の中の理解があれば、私は笑われなくて済んだのでは?(怒)と思わずにはいられません。「私は場面緘黙という症状があるのでフォローをお願いします」というように下に出なくてはならないのももうウンザリです。プライドはズタズタです。

私はどんなに笑われても、悔しいから一回も会社を休んだことはありませんが、ほかの人だったら休んでしまってもおかしくないくらい人格を傷つけられました。でも、笑った人が悪いとも言い切れません。今の世の中では、場面緘黙という症状の人がいることを学校の場であまり教えないからです。だから、この問題で一番悪いのは学校教育だと思います。もっと、いろいろな子どもがいることを、いろいろな価値観があることを学校という場で教えてあげてほしいです。(話したくてもどうやっても体と思考が動かなくて話せない子どももいるんです。)教科教育よりもずっと大事だと思います。そうすれば私は、ほかの場面緘黙の方々は、笑われなくて済んだのに、苦しまなくて済んだのに。ここに書いているだけじゃなくて、しかるべきところにも必ず伝えていきます。

私は今回の体験から、場面緘黙に理解のない世の中を変えようと決めました。10年以内に以下のようにしていきます。

①「場面緘黙」という言葉をほとんどの人が知っている・書ける

②場面緘黙っぽい人を見かけてもみんなわかるから何も言わない(笑ったり、「話さないね、おとなしいね」と言ったりしない)

③万が一場面緘黙を笑った人がいても、その人が怒られる(「笑わないでください」と場面緘黙の人が下に出る必要はなくなり、対等になる)

笑われるのは私で最後にしたいです。これから世の中が変わるのであれば、私のズタズタになったプライドも無駄ではなかったと思います。

 

 

 

 

 

 

「コミュ高 学低」社会ー「コミュ力」は低くて学力は高い場合の困難

「西高東低」とか「理高文低」とかいう言葉がありますが…、現代社会は、コミュ力を重視して、学力を軽視する「コミュ高 学低」社会だなあと感じます。

コミュ力があまり高くない人が、就職活動で事務系職種、営業系職種、技術系職種を受ける場合の困難を、それぞれ以下に挙げてみます。(筆者の体験に基づいています。)

〇事務系職種:作業としては難しくないので能力的にはできるはず。しかし、内輪でのコミュニケーションは必要なので面接ではじかれる。

〇営業系職種:お客様の前に出しても恥ずかしくないコミュ力が必要。面接で即はじかれる。

〇技術系職種:学力は高いため面接は通る。しかし、就職してから、困ることになる。この職種は注意力が特に必要な業務が多いのだが、睡眠導入剤などの薬を服用していると、副作用のため、本来の注意力・集中力を出し切れない面がある。

〇就職せず生活保護生活:就業能力ありとされ、生活保護はもらえないのではないか。

→行き場のない閉塞感。「コミュ高 学低」社会にあって、すべての人が生きやすくなるにはどうしたらよいのか。

このような状況を改善するためにこれからブログ記事を書いていきたいと思います。

IT業界教育改革

IT業界は物事を工数でとらえるなど合理的な考え方がある業界です。それは、他の業界でも取り入れられる良さであると思います。ですが、人を伸ばすという点に関しては、この業界はまだまだ改善の余地があるのではないでしょうか。

一年前、私は新入社員研修を受けましたが、「どんなに確認テストで良い点を取っても、話すことが苦手だと意味がない」というようなことを研修の講師(IT業界出身)に指摘されてしまいました。(私は場面緘黙の症状があるため、努力しても人前で話すこと・動くことが困難です。ですが、それをカバーしようと、大学までにやったことのなかったITの分野を必死で学ぼうとしたのです。)逆に、話すのが得意でテストの点が低い研修生も指摘を受けていました。このとき、私は、何でこの業界の人は、人のいいところを見て人を伸ばすのではなく、人の悪いところばかり指摘して、人をつぶしてしまうのだろうと思いました。(この講師が細かく人を見ていてくれたことには感謝していますが。)

これは、IT業界に特有の仕事の仕方が関係していると思います。この仕事では、プログラムに間違いがあると正しく動かなくなってしまうので、間違いの原因を見つけて修正することがとても大事です。だから、人に対しても、欠点を指摘することにばかり目が行ってしまうのだと思います。ですが、私は、間違い・欠点を指摘することでプログラムは動くようになっても、人は動くようにならないと思います。人に対しては、プログラムに対するのとは別のアプローチが必要と考えます。

私は大学時代、独学で心理学を学び、非行少年の更生を支援するボランティアをしていました。そのボランティアでは少年院で行われる運動会などの行事の手伝いを行いました。一緒にボランティアをやっていた人は、大学で心理学を学んでいる人や心理職に就いている人が多かったので、人の話の聞き方はとても上手でした。人の話を否定することなく、その人の良い点を伸ばすように話をしていました。このような人たちに慣れていたので、人の粗探しをするように見えるIT業界の人々は私にとって衝撃的でした。

違う業界なので、アプローチ方法が違うのは仕方がないことですが、心理職の人が持つ、人を伸ばす力を取り入れればこの業界はもっとよくなると思います。私はまだ2年目ですが、後輩が入ったらその人の良い点を伸ばしてあげられる存在になりたいです。

「プログラムは悪い点をつぶして動かす、人は良い点を見つけて動かす」の精神でいきます。

私が思う世の中の3大誤解

①「法律学は条文を丸暗記するものである」…そうではなく、解釈の仕方を学びます

②「心理学を学ぶと人の気持ちが読める」…それは表面的な行動に着目したものであり、心理学では脳の認知の仕組みを学んでいます

③「SEは理系の職業」…プログラミングは数学とは少し違います。業務知識は文系的です。