場面緘黙治療法アイディア集9

今回は、緘黙の症状として、「最初からできなかったこと」、「後からできるようになったこと」、「後からできなくなったこと」を分けるという方法です。

場面緘黙の症状といっても、人によってできること・できないことは違うと思いますし、同じ人でも年齢によってできること・できないことは変わってくると思います。

 

私の場合は、小中学校では一言も言葉を発していませんでした。(首を縦横に振って意思表示していました)。高校を知り合いがいない遠いところにしたので、高校以降は話しかけられたら会話できる状態になって、24歳の今に至るといった状況です。会話をするようになって気が付いたのが、(「あれを相手に言ったら悪いかも」と考えながら話すので)気楽に話題を提供するのが難しいということです。これは、幼少期からでなく、後からできなくなった(できないと気づいた)ことです。

【私の例】

最初からできなかったこと(幼少期から):社交の場での会話全般

後からできるようになったこと(高校以降):相手から聞かれたら話しかけること

                プレゼンのような一方向コミュニケーション など

後からできなくなったこと(高校以降):相手に気楽に話題を提供すること

 

このように、どのような状況で、緘黙の症状が治ったり(悪化したり)したのかを自分なりに分析できるとよいと思います。最初からできなかったことは、もともとの性格による思い込みで、後からできなくなったことは、それ以降の経験によるもの(経験による思い込み)だと考えられます。ここで言えるのは、どちらにしろ思い込みによって症状が出てしまっているいうことです。だから人によって、同じ人でも年齢によって、症状が違うのだと思います。(場面緘黙の本質は、ある人が、ある年齢で、ある状況下で、「ここでは緊張しなくてはならない」と脳が思い込んでしまっているから話せなくなっているというだけなのだと思います。誰かに病気にさせられたわけではなく、自分の思い込みが症状を作り出しているということです。それだけのことですが、当事者としてはつらいところですが。)

場面緘黙の症状は、自分の脳が思い込んでいるだけと思えれば少しは気楽になれるかなと思って書きました。